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湖川友謙 サンライズ作品画集(仮)

『月がきれい』で主人公の安曇小太郎(ハネテル)くんが読んでいる太宰作品一覧(※6話目分まで) [アニメ周辺・時事]

 アニメ『月がきれい』では、主人公の安曇小太郎くんは太宰が好きらしく、劇中のモノローグでは何回か太宰の小説を引用しています。

 太宰は「暗い」などのイメージがもたれがちだと思いますが、読むとなかなかに面白いので、このアニメを通してちょっとでも太宰が読まれれば良いのではないでしょうか。

 なぜならそれが、本当のメディアミックスだと思うからです。

 かくいうぼくも、全作品を読んでいるわけではないですが、『月がきれい』にちなんで甘酸っぱい感じのおススメ太宰作品は『思い出』です。

 青空文庫で無料で読めます
 理由は、過去にツイートした通りです。






 どうです、甘酸っぱいでしょう。

 では、『月がきれい』に出てくる太宰作品を、分かる範囲で書いていきます。
 劇中で出ているのに漏れている一文あったら、教えてください。


1話


1、「生きている事。ああ、それは、何というやりきれない息もたえだえの大事業であろうか。」

 『斜陽』から。有名作ですね。個人的には出だしの「スウプ」という単語が印象深い。
 なお『斜陽』は流行語になるほどの現象を起こしたが、一方で志賀直哉には手厳しく批判されました。
 それに反論し、太宰は『如是我聞』の中で、

或る「老大家」は、私の作品をとぼけていていやだと言っているそうだが、その「老大家」の作品は、何だ。正直を誇っているのか。何を誇っているのか。その「老大家」は、たいへん男振りが自慢らしく、いつかその人の選集を開いてみたら、ものの見事に横顔のお写真、しかもいささかも照れていない。まるで無神経な人だと思った。

 などとこき下ろしています。


2、立花さんから薦められる『女生徒』
 これについては過去にツイートしています。





3、「幸福感というものは、悲哀の川の底に沈んで、幽かに光っている砂金のようなものではなかろうか。」

 これも『斜陽』ですね。

 1話目で出てきた太宰作品は『斜陽』『女生徒』。



2話

1、「人は人に影響を与えることもできず、また、人から影響を受けることもできない。」

 『もの思う葦』の1つ「或る実験報告」から。
 「或る実験報告」の章は、この1文で全てです。


2、「笑われて、笑われて、つよくなる。」

 『HUMAN LOST』から。この作品は、発表後も長く小説集に収められなかった作品のひとつです(ちくま文庫『太宰治全集2』450Pより)。
 『月がきれい』に出てくると何だか、青春を言い表しているような一文の印象を受けますが、この小説は病院(太宰いわく「脳病院」)に入っていた体験を元にした小説です。

 全集には初版と訂正版が掲載されていますが、他作家の悪口を実名で書いている訂正版の方がぼくは好きです。




 2話目で出てきた太宰作品は『もの思う葦』『HUMAN LOST』。



3話


1、「少くとも恋愛は、チャンスでないと思う。私はそれを、意志だと思う。」

 小太郎くんが図書館で手にした本。表紙にも書かれていた通り『チャンス』です。ただ、



 と思うのですが、どうなんでしょうね。

 ちなみにこの1文は、冒頭に出てきます。

 なお、太宰は続けて、


「きれいなお月さまだわねえ。」なんて言って手を握り合い、夜の公園などを散歩している若い男女は、何もあれは「愛し」合っているのではない。胸中にあるものは、ただ「一体になろうとする特殊な性的煩悶はんもん」だけである。


 と書いています。よりによってこの回に『チャンス』もってくるとは、スタッフの皮肉かな(笑)

 3話目で出てきた太宰作品は『チャンス』。



4話


 4話目は告白の返事待ちやら修学旅行やらで、太宰の太の字も出てきませんでした。文学少年も女性の前には…

 4話目に出てきた太宰作品は無し。



5話


1、「他の生き物には絶対に無くて、人間にだけあるもの。それはね、ひめごと、というものよ。」

 1話目に続いて、『斜陽』からです。
 このセリフは、主人公・かず子の母が、かず子に向かって言うものです。

 ちょっとした言い争いをした際、かず子は「出て行きます。私には、行くところがあるの」と口走ってしまいます。その後時間をおいて、母がかず子の恋を心配した言葉です。

 この会話には続きがあります。母は「ああ、そのかず子のひめごとが、よい実を結んでくれたらいいけどねえ」と願いを伝えるのです。
 その「ひめごと」が結ばれたか否か。かず子本人は「誇り」を持つ結末になるわけですが…

 なお今回は、ハネテルくんが『舞姫』を持つシーンがあります。この回のタイトルが漱石の『こころ』だったので、明治の文豪つながりで『舞姫』にしたかのかな、と勝手に思っています。

 5話目で出てきた太宰作品は『斜陽』。



6話


1、「人間は、恋と革命のために生れて来たのだ」

 また『斜陽』ですね。ハネテルくん、よく「太宰は言った」などとモノローグをかましていますが、あまり太宰作品を読んでいないのではと疑念を持ち始めました、ぼくは。

 今回のフレーズは太宰も気に入っているのか、『斜陽』の中に2回出てきます。

 主人公のかず子は考えます。
 戦時中、大人達が最も愚かしく忌まわしいものと教えたのが「恋と革命」だった。しかし戦争が終って大人を信用しなくなると、「恋と革命」こそが「最もよくて、おいしい事で、あまりいい事」だったのではないか、と。大人はそれを知っていたから、青い葡萄だと嘘をついた、と。

 今話の前半はハネテルくん浮かれているから、このフレーズに親しみ持てるのかな。

 6話目で出てきた太宰作品は『斜陽』。


 なお6話にしてやっと? タイトルが太宰作品になりました。『走れメロス』。

 確か星新一さんだったと思うけれど、『走れメロス』は太宰にしてはテーマが明確過ぎてあまり面白くない旨を書いていました。

 私も同感です。もっともだからこそ、学習教材としては扱いやすいのでしょうが…


※随時更新です。なお文章は全て、青空文庫から引用しています。


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