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安田 朗 ガンダムデザインワークス

印象深い富野の対談10選 [富野関係]

 お久しぶりです。
 『ガンダム Gのレコンギスタ オフィシャルガイドブック』が発売になりますね。

ガンダム Gのレコンギスタ オフィシャルガイドブック

ガンダム Gのレコンギスタ オフィシャルガイドブック

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 学研パブリッシング
  • 発売日: 2015/09/23
  • メディア: 単行本



 もう愚痴は言うまい。ツイッターでいくつか呟いたし。
 ファンにはもう、買うしかないんだから。



 で、このガイドブックの目玉は、帯を見る限り富野・宇野さんの対談のようですが。

 これまで富野は多くの方と対談してきて、ぼくも長いファン歴の間にそのうちの幾つかは読んできました。
 その中で印象深いものを10本、選んでみたいと思います。ぼくには珍しく順位をつけて書いていきます。

 ただし対談集として書籍になっている『教えてください。富野です』『ガンダム世代への提言 富野由悠季対談集Ⅰ~Ⅲ』『戦争と平和』は除外します。これらだけで10埋まっちゃうからね。

 では、いきましょう。


 10位 大塚ギチさんとの対談(1997年月刊ニュータイプ7月号増刊「Newtype mk.Ⅱ」)

 まあ最初から、対談というよりインタビューだけれど…大塚さんの個人的思いや個性が詰まった文章なので入れてしまった。ちなみに最近の吉田豪さん(またインタビューじゃねえか)や、山田玲司さんの『絶望に効くクスリ』も思い浮かんだけれど、これにしました。
 
 この中で富野は「懐古的にかつての『ガンダム』や『イデオン』のことを知っているからやるならばネクストあれ、ネクストこれ、ということにしかならなくて〝新規にやりましょう〟という話にはならないんです」と現状を憂いているのに、翌年には非ガンダム・非バイストン・ウェルの『ブレンパワード』を発表するんだからなあ。

 というか、この時点で絶対に制作進行していたよね。
 インタビュー開始前、富野がカメラマンに露出のとり方などを質問している描写がある。ミクロの世界を撮りたい、と答える富野。

「すごく極端な言い方をするとタンポポの茎を接写したいんだけど露出が拾えないんですよ」
「新しい企画を考えていて(笑)」
「実際に草や昆虫を接写した写真もあるのですが、それとは視点が全然違うので参考にならないのです。ぼくはそれを舞台にしようと思っているから」

 などと言っている。

 この企画って何かなあ。時期的には小説だけれど『どろろんKAGUYA』、あるいはタイムトラベルとタイムパラドックスを取り入れたバイストン・ウェルもの? 
 はたまた明らかになっていない作品か。

 そしてこの植物写真が、ブレンのアラーキーEDに繋がったのか。 
 今の視点で読み返しても面白い記事だった。


 9位 押井守さんとの対談(1993年アニメージュ6月号)

 内容はkaito2198さんのブログで。

 この組み合わせ、珍しいよなー。そして案外(?)会話が噛み合っている。
 内容もさることながら、組み合わせ自体が刺激的。これ、押井監督がどんなテンションで喋っているのか、映像で見てみたかった。

 ちなみにこの対談の中で、押井監督は『逆襲のシャア』を褒めたらしいんだけれど、そこはカットされていますね。


 8位 杉井ギサブローさんとの対談(2006年KINO Vol.02思考としての『ガンダム』)

 両者の方向性の違いがハッキリ分かって、それ故にそれぞれの個性が分かる良い対談だった記憶があるんだけれど…読み返そうと思ったら本が見当たらん。
 この前のダンバインのムックといい、どうしてぼくの家はこう物が行方不明になるのか…


KINO Vol.02 思考としての『ガンダム』

KINO Vol.02 思考としての『ガンダム』

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 河出書房新社
  • 発売日: 2006/07/25
  • メディア: 大型本



 ちなみにアマゾンの商品ページでは、すごい長く本文を抜粋している。下記のように。

――(中略)――
 ・・・・・・ そこで実を言うと、とても大事な話があります。
 皆さん方の受けてきた教育、皆さん方が20年、もしくは20何年という時間の中で、きっとこういうふうに教えられてきたんじゃないのかなって、僕自身スタジオで若い人たちと接して感じることがあります。
 それは、・・・・・・個性が大事だ、君にはあなたには特別なものがあるんだから、その個性を伸ばすためにお勉強しましょう、がんばりましょう、という教えられ方を、先生や他の大人たちからされてきたんじゃないのかと感じるようになりました。
 僕自身、いくつかの本を読んだ中で、具体的にどなたが書いたかは覚えていませんが、とても納得する話があります。
 普通の人は、個性はないという一節です。
 それをまず皆さん方が自覚していただく方が正しいような気がします。
 それで「自分という個性があるならば」という言い方がありますが・・・・・・。

 まだ続く。これの4倍くらい載っているぞ。


 7位 庵野秀明さんとの対談(1994年アニメージュ7月号)

 内容は「ひびのたわごと」さんから。

 ぼくが知る限りでは、富野と庵野監督の対談はこの時と、あとインタビュアーって形で小黒さん・小川さん・井上さんもいるけれど『逆襲のシャア友の会』(欲しい…)、そしてZガンダムLD-BOXでのライナーの3回かな。
 後者の2つは収録日いっしょらしいけれど。

 アニメージュの対談では、庵野さんが「Vガンダム好きだけれど疑問の箇所もある」スタンスで挑んでいるのが面白い。
 「小さい子どもにはつらかったと思いますよ」
 「作為を感じるんですよ」
 など、庵野さんがバンバン異議を唱えているのが良い。


 6位 永野護さんとの対談(2001年ファイブスター物語アウトライン)

ファイブスター物語アウトライン―永野護

ファイブスター物語アウトライン―永野護

  • 作者: 永野 護
  • 出版社/メーカー: 角川書店
  • 発売日: 2001/12
  • メディア: 大型本



 この対談は、印象深い内容多いんだよなあ。

 その言葉こそ出なかったけれど、クラウドファンディングの話をしたり。

 それに、この対談の中で永野さんが「新しい『Zガンダム』をつくっちゃえばいいんです」と言っているんだよなあ。
 富野は「いいんだけどね、僕は余命いくばくもないのよ?(笑)」とかわしているんだけれど、この4年後には新訳を。

 そして何より印象深いのは、永野さんの富野の鬼子宣言と「僕は富野さんをボロクソに言うけど、でも富野さんをバカにするやつがいたら、僕はマジギレしますよ」。

 富野の下についた人はたくさんいて、影響を公言する人もいるけれど、「息子」と言っているのは永野さんくらいじゃないかなあ(自称・鬼子だけれど)。
 
 永野さん、最近の大河原さんとのトークショーでも、富野の代わりに謝ったらしいけれど。
 ホラ、代わりに謝るって、「身内感」あるでしょ。

 富野ファンとしてはそこらへん、好きなの。


 5位 高橋良輔さんとの対談(2006年ネット番組『オリジナルの肝』)

 この両者は何回か対談しているはず。それに高橋監督が単独で富野について語っていることも多いと思うんだけれど、印象深いのはこれかな。

 『オリジナルの肝』は、高橋監督がホストを務めていた期間限定のネット番組。

 安彦さん、伊藤和典さん、押井監督もゲストで出た。富野出演は第11回目で、劇場版Z(星を継ぐ者)公開前の1ヵ月間配信された。

 「もう見れねーじゃねーか!」って新規ファンの皆さん、さとまるさんが文字起こししています

 思い出を交えつつ作品を語る構成が良いです。富野が水泳しているって初めて知ったのも、この番組じゃなかったかな…

 ちなみに、同じくさとまるさんが紹介している『アニメージュ』1981年12月号(これは珍しくぼくも現物を持っている)も良い。
 大昔…10年以上、このブログの前身のブログにも書いたけれど、このアニメージュの対談通りに劇場版ガンダムを高橋監督が担当し、ダグラムを富野が作ったらどうなっていただろう。
 そんなIFを見たいような、見たくないような。


 4位 上野俊哉さんとの対談『ZZ』ガンダムLD-BOXライナーノート

 ぼく、「富野作品における親子像」と「富野が語る親子像」の乖離に、ものすごく興味があるんだよね。
 いつかその記事を書いたら、このブログ終りでいいなと思っているんだけれど。

 例えばさ、主人公の父親像って、ファンから見ると明らかに実父の影響なのに、富野はそれを否定するでしょ。「嘘だろ?! なんで?」って思っちゃうんだよね。

 で、親子についての言及は、『「ガンダム」の家族論』を抜かせばこの対談が一番迫っているかな。
 というか、『「ガンダム」の家族論』については思うところあるので、

 家族論って。富野って、家族を描くの苦手じゃない? 富野作品に見る「家族」。

 この対談が一番、富野の「家族観」に迫っていると思う。こういう内容だと、インテリゲンチャとの対談も本当にありがたい・感謝の気持ちでいっぱいになります。


 3位 平井和正さんとの対談(1985年『ウルフ対談』)

 平井さんが徳間書店から出した文庫本。
 富野との対談は7~42P。今から思えば、『幻魔大戦』の監督を富野が務める前提の対談だったのかな。

 この対談は今まで紹介したものとは違い、富野の「今日は幻魔シリーズのことを中心にお話をお伺いしたいと思います」で始まります。
 そう、富野が進行役なんです。

 この対談が印象深いのは、このブログでさんざん紹介している・富野の(ガンダムを作るうえで)「ニヒリズムとデカダンスに陥ることを絶対的に拒否する」という言葉が出てくるから。
 富野作品の本質を、これほど的確に・簡潔に射抜いている言葉はないと今でも思う。

 この本、他の対談相手はまだ作家になる前(!)の新井素子さんと難波弘之さん、内田勝さん。
 ちなみにアマゾンでは1円で売っているんだよね。

ウルフ対談―荒野に呼ばわる声を聞け! (徳間文庫)

ウルフ対談―荒野に呼ばわる声を聞け! (徳間文庫)

  • 作者: 平井 和正
  • 出版社/メーカー: 徳間書店
  • 発売日: 1985/07
  • メディア: 文庫



 「幻魔―この暗黒波動」って中見出しから始まって、「ルシフェル」「宇宙意識」みたいな言葉がバンバン出てくるので、平井初心者にはあんまりオススメできないけれど。


 2位 瓦重郎さんとの対談(1997年『CYBER TROOPERS VIRTUAL‐ON REFERENCE SCHEMATIC―電脳戦機バーチャロン副読本』)

 まあ、これですよね。悪い意味で一番印象深いのは。
 ゲーム『電脳戦機バーチャロン』の副読本。同ゲームのプロデューサー瓦重郎さんとの対談。これ、ヒドい内容だよなあ。瓦さんホントに大人だと思う。
 
 あえてリンク貼らないけれど、本そのままの状態で読めます。


 1位 安彦良和さんとの対談(2009年9月号ガンダムエース)

 お互いを認めた者同士の、しかし作品への思いがぶつかるピリピリした対談。
 これがダントツで一番かな。文章間から緊張感が伝わる。

 最初は穏やかにスタートするけれど、途中の

 安彦「富野さん、オリジンは読んでた?」
 富野「これに関してのコメントは、僕には一切できない(後略)」
 安彦「じゃあ終われば言える?」
 富野「いや、言えないかもしれない」

 から始まるやりとりはたまりませんね。富野ファン、いやガンダムファンならこれは読んでおいて損ないと思います。

 
 以上です。
 いやーしかし、今回の記事はリンク貼りまくったな。他人様のふんどしで相撲感あるけれど。
 ひびのたわごと様、シャア専用ブログ@アクシズ 様、TOMINOSUKI / 富野愛好病様、ありがとうございました。無断ですが。大変参考になりました。

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コメント 2

グリーン

押井監督は逆シャア好きみたいですねー。
「映画として完璧に近い」みたいなことを言ってたはずなんですけど、何で読んだか忘れてしまいましたw

富野は誰と対談してもある程度以上は面白くて、そこが凄いなと思います。
by グリーン (2015-09-22 01:57) 

坂井哲也

グリーンさん、コメントありがとうございます。

押井監督、そんなに褒めていたんですね。ちょっとニュアンス違うけれどこれ http://kaito2198.blog43.fc2.com/blog-entry-30.html か、ぼくが読んでいない「逆襲のシャア友の会」あたりでしょうか。

確かに富野の対談は、相手が誰でもたいがい面白く読めますね。

by 坂井哲也 (2015-09-24 12:57) 

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