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安田 朗 ガンダムデザインワークス

富野由悠季と出身地【北海道は文化的不毛地帯・おのれ】 [富野関係]

 えー、こんばんわ。

 本日もほんの少し、あなた様の時間を頂戴できれば幸せでございます。


 えー。ね。

 北海道人はおおむね、北海道が好き、という定説があります。

 やれ呑気な性質がワールドワイドな人物を生み出さないなどの、異論もあるだろうけれども、まあ、北海道人は北海道が好き・でしょう、おそらく。

 そうと決めないことには話が進まない。


 で、我が敬愛する富野由悠季でありますが、北海道への考えを、何度か話したり・記していることがあります。

 まず、『「イデオン」ライナー・ノート』の29ページ。以下引用。


 (湖川さんは)よりによって安彦の出た高校の後輩なんだって! あんな北海道の僻地! 網走のさきの高校なんだよ! なんでそんな僻地の人間がぼくのそばに出現するのさ! ぼくは小田原っていうすごく温暖な土地の出身なんだ! わざわざ寒いところの人間が2人そろって現れることなんて金輪際ないはずなんだ!(以下略)



 ま、まあいい。

 『「イデオン」ライナー・ノート』はフィクションかなり入っているし、エッセイとはちょっと違うしね。
 
 ほ、ほほほ本音じゃない、冗談だろうしね。


 次は『聖戦士ダンバイン ノスタルジア』173ページから。


 湖川:富野さんに「何で小田原のこの僕が北海道の田舎者にこんなことされなきゃいけないの?」と言われて、え? 小田原が何なの? って僕は思ったわけ。

 富野:あ、今わかった。北海道って何もないじゃない(笑)。だからわかりようがない。

 湖川:北海道の人間なんか寒くて外へ出られないものだから、家の中でシコシコ絵を描いているからあれくらいは描けるんだ、なんて僕に言っていたじゃないですか。



 ちょっと、いいだけ言われているんですけれど。

 ま、誤解ないように書いておくと。この話の流れは、広井王子さんの話題から来ています。

 昔の吉原生まれの広井王子さんにとって、『サクラ大戦』で踊り子や舞台が出てくる設定は、自然の流れだった。
 おばさんでSKDの踊り子をやっている人もいて、小さい頃から国際劇場の楽屋に入り浸っていた広井さんだからこそ描ける世界。
 
 そして北海道を文化的不毛地帯みたいに言うのは、富野自身が、


 悔しいけど、僕は都会派とか根なし草みたいなタイプなんだよね。だから僕は今でも田舎者にはものすごくジェラシーを感じる。(『聖戦士ダンバイン ノスタルジア』173ページから)



 からなんですね。

 また、こんなことも言っています。



 今、言っていたみたいに、広井王子さんのような昔を知っている人間がパッと来た時に、勝てるわけないと思う。そういう意味で北海道というところだと、クリエイターにとっては不幸だよねって思うということです。(『聖戦士ダンバイン ノスタルジア』173ページから)



 まあ、確かに『サクラ大戦』の世界、他にも例えば落語の世界や江戸下町の世界は、北海道で生まれ育った人間には描けないかもね。残念だけれど。

 まあその代わり、北海道人にしか作り上げられない世界がある、とも思うが、まあいいや。
 富野はどうせ、北海道のことなんか。カニに襲わせるぞ!


 ちなみに富野、「出身地と作品への影響」については、こんなことも書いています。


 (手塚)先生は、学生時代は宝塚に出入りしていたのだから、手塚作品に暗黙のうちにあるエロティシズムというのは、宝塚から発したものだ。
『リボンの騎士』を見ればわかるでしょうというような陳腐なものではない。ディズニーに代表されるアメリカナイズされたモダニズムへの心酔というのは、敗戦がその憧れに拍車をかけたにしても、もっと素朴に手塚先生のインテリジェンスの先進性といったものが、宝塚の華麗で都市化されたエロティシズムへ傾斜させている。(『ターンエーの癒し』249-250ページ)


 そして自身の出身地については。

 小心者のいじけ虫。小田原という温暖な風土が僕を強くさせてくれなかったのだ、と勝手に責任転嫁した部分もある。あんな生ぬるい土地にしがみついていると、結局は自滅するのではないか、大志を抱いて上京というほどでもないが、とにかく、中学、高校時代のいじけた臭いの僕を生んだ(はぐくんだ)風土から決別する必要があると考えたのである。(スニーカ文庫版『だから僕は…』74ページ)


 なんて書いています。

 まあ富野独特の喪失感というか、無いものねだりの1つなんでしょうね。この出身地へのこだわりは。

 「故郷は捨てた」とか『だから僕は…』で書いているのに、未だに小田原や故郷について言うもんな。

 それほど、創作活動と自身の生まれ・育ちってものは、切っても切り離せないものなんだろうね。
 特に富野は、自身の体験が強く作品に出るタイプの作家だと思うし。


 最後にもう1つ、「故郷と・無いものねだり故の執着」が伺えるインタビューを紹介して終りにしましょう。

 それではサヨウナラ。よろしければ、またおいで下さい。


 僕の場合、地方に飛ばされる転勤も経験もしないで来てますが、いま住んでいる場所といってもとりあえずいるという感覚しかなかったので、本当に自分が根なし草だったという問題意識のほうが大きいのです。ですから、歳をとればとるほどお祭りに、ノスタルジックな部分だけではなく、文明論的なものを考えざるを得なくなってしまったのです。(『オーバーマンキングゲイナー イントロダクション』37-38ページ)
  


 

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