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安田 朗 ガンダムデザインワークス

バイストン・ウェルは、富野由悠季にとっての「終らない学園祭前夜」か 一挙記事 [富野関係]

記事1回目。

 さて、『リーンの翼』の話です。
 『Z』の映画が始まった頃、「Zの映画を作るのを了承した代わりに、富野は新作の制作費を援助してもらう約束をした」って噂がネットであった。
 で、俺はこのブログで「願わくば、本当に新作をつくってほしい。ガンダムでもバイストン・ウェルでもない、完全新作を。その時は、どんなに詰まらなくても作品を追いかけるから」と書いた。


 ところが次の新作はバイストン・ウェルもの。しかもオーラバトラーが出る。ハア。
 第一報を聞いた時は、正直ガッカリした。なぜ今更バイストン・ウェル…
 数年前にビデオで出たバイストン・ウェルもの『ガーゼイの翼』は、まだ良かった。オーラバトラーが出ず、富野作品には稀有な「ロボットの出ない作品」というチャレンジがあったからだ。


 8年前の富野のインタビュー記事で、インタビュアーの大塚ギチは「僕が熱望しているのは宇宙世紀でもバイストン・ウェルでもなく新たなる世界だ、タイトルに『゛』と『ン』のついた作品であればいいのだ」と書いた。
 俺はそれを読んで、いたく共感した。
 今でもその思いは変わらない。見たいのは、新たなる富野作品なのだ。


 と、ここまで否定的なことを書いたが、『リーンの翼」の公式HPにある富野のインタビュー記事を読んで、少し光明も見えてきた。
 今回の企画は、若手からあがってきたものだと言うこと。富野の発案でないのは幸いだ。若手とのコラボで、『キングゲイナー』みたいないい化学反応が起こるかもしれない。まあ、若いなら完全新作を作る心意気を見せてくれ、とも思うが。


 で、眠くなってきたので、タイトルの話は次回に持ち越します。もう午前3時だよ。明日も仕事だよ。おやすみ。


記事2回目。

 この世は富裕層と下流社会でアレがアレらしいから、お前は死ねええええ。ふぎゃああああ。
 しかしさ、下流社会っつーのはただ貧乏なだけじゃなく、働く意欲や購買意欲などが総じて低い層のことを指すらしいけど、そりゃいくら働いても賃金が安けりゃ働く意欲も低くなるし、購買意欲も無くなると思わね? 物が欲しいと思ってもどうせ買えないんだから。
 真面目に働いても収入が低い人はどうすればいいの?
 分かった。お前は死ねええええ。ふぎゃああああ。


 さて、本題。『バイストン・ウェルは富野由悠季にとっての「終らない学園祭」か』と題してブログを書こうと思って、まず考えた。
 先に書くべきは「富野にとってバイストン・ウェルとは何か?」か、「終らない学園祭」の説明をするべきか。
 やっぱり、「終らない学園祭」とは何かを、先に説明するべきなんだろう。80年代のオタクには命題と言えた共有概念だが、若い人は知らんかもしれんし。


 「終らない学園祭」という言葉は、押井守が1984年に監督した映画『うる星やつら ビューティフル・ドリーマー』に由来する。
 以後、ネタバレ注意です。


 物語の舞台である友引高校は学園祭の前日で、登場人物達は準備に勤しんでいる。ところがその1日は、何回も何回も繰り返され、登場人物達はループする時間の中を過ごす。
 実はこの世界は、ヒロインが「愛する人とずっと一緒にいたい」と願う空想の世界だった。


 この映画は、漫画やアニメの世界に淫し、現実の世界より空想の世界に重きを置く人種(つまりオタク)に、決定的な衝撃を与えた。
 誰かが考えた閉じられた世界で、結局は進展がない世界で、ずっと「住んで」いていいのか。


 しかも凄かったのは、そのテーマを、意図的に「閉じた世界」を作り出している高橋留美子の漫画原作の映画でやったことだった。
 高橋の長編漫画には終りがないどころか、進展がない。
 『めぞん一刻』は結婚までいっただろう、と異議を唱える人がいるかもしれない。しかし物語の舞台になっている下宿という場は、もちろん例外の人もいるだろうが、基本的には社会に出るまでのモラトリアム期間を過ごす場所である。
 しかし当初学生だった主人公は、働き始めても、結婚しても、子どもが出来ても下宿を出ないのだ。


 無論、高橋留美子は明確な信念の基に、確信的に「閉じた世界」を作り続けているだろうし、それを私は悪いとも思わない。


 ただそんな高橋の世界と、押井が映画で描こうとしたテーマは、あまりに相反するものだった。
 『ビューティフル・ドリーマー』のDVDは、原作者の反対で長らく販売がされなかった、との噂があった。その真偽はともかく、この噂が流れた背景には、前記の理由があったと思う。


 ちなみに蛇足だけど押井はその後、江戸川乱歩の名言「昼は幻、夜の夢こそまこと」よろしく、「現実世界よりリアリティを感じる空想世界」「ひょっとしてこの世は全てが誰かの夢かも」「確かに思える現実の状況だって、何かの拍子ですぐ非常時に変わる。つまり、空想の世界と何が違う?」など、オタクの心情にビンビン伝わってくる作品を作りつづけた。


 押井はジャパニメーション(恥ずかちい言葉!)を代表する監督として伝える向きもある。
 けど、近年の攻殻2作は別として、以前の作品は一般人(=非オタク)のシンパシーを得られる作品ではないと思うけどね。


 さてここまで書いて、やっと富野の話に行く。ところで次回へ続きます。


記事3回目。

「バイストン・ウェルは富野由悠季にとっての『終らない学園祭前夜』か」、ラストです。


 まず先に書いておくと、俺は『聖戦士ダンバイン』は大好きです。その上での話です。


 そもそも違和感があるのは、基本的に次々と新しいことに挑戦する富野が、バイストン・ウェルの物語にだけは「帰還」したがっている点にある。
 「ガンダムをずっと作り続けているじゃねえか」という意見もあるだろうが、ガンダムは作らざるを得ない状況に追い込まれたのであり、さんざんオリジナル作品を作ってきた上に、「やっぱりガンダム作れ」と言われて挫折感を味わった作品なのである。
 だから富野は『Z』を嫌っていたわけだ。


 常に新しいチャレンジを己に課している富野が、自分から戻りたがる『バイストン・ウェル』。そこに激しい違和感、「もう1度同じ事をしようとしているのではないか」という失望を感じる。
 『ガーゼィの翼』はまだいい、富野にしては珍しくロボットが出てこない作品だったから。それだけで大いなる挑戦だった。でも、『リーンの翼』には何があるんだろう?


 もう1つの決定的な問題点は、富野の作風が、異世界ものには向かないということだ。


 そもそも富野の作品は状況の説明なしに話が進んで行き、しかも群像劇で、1本の分かりやすい大きなストーリーがあるわけではない。
 具体的な例を出せば、『ダンバイン』と比較されることも多いサンライズ作の異世界ロボットもの『機甲界ガリアン』のように、「絶対的な悪に立ち向かう王子と王女」といったフォーマティヴな作品は富野には作れない。富野作品はもともと分かりづらいのだ(そこが魅力でもあるのだが)。


 それがさらに異世界ものになってしまうと、視聴者は現実世界とはまったく違う世界観を把握していかなければならない。
 通常、マニアではない限り、TVアニメなんて1回見て終わりなのであり、それで富野作品の全てを把握するのは難しい。
 実際、『ダンバイン』はバイストン・ウェルを舞台にしたシリーズ前半は人気が上がらず、後半からは舞台を地上へ移した。筆者自身は前半の雰囲気も嫌いではないが、一般的に『ダンバイン』で印象に残るエピソードといえば、「東京上空」を始めとして、「ハイパー・ジェリル」「ビヨン・ザ・トッド」と、地上を舞台にした回ではないだろうか。
 繰り返しになるが、富野作品は初見のみでは、その複雑な人物・組織関係を理解するのに手一杯になるので、それ以外の部分はなるべく単純か、ぼかしていた方がいい。
 だから物語世界には、最低限の共通認識を持てる地球が適しているのだ。


 事実、数ある富野作品の中で、地球を舞台にしていないのは『ダンバイン』『エルガイム』だけである。しかも『エルガイム』のペンタゴナ・ワールドはバイストン・ウェル世界の1つであるという説もあるうえ(リリス・ファウの存在)、永野護に譲ってしまっている。だから現在富野が持っている「自分の異世界」は、バイストン・ウェルしかない。
 でも、だからこそ。


 富野にはもうバイストン・ウェルに戻らないでほしい。
 おそらくそこからは、何も新しいものは生まれない。いつかの物語が、繰り返される―終らない学園祭が続くだけだ。
 異世界を舞台にしたヒロイックファンタジーは、現実世界の疲れを癒すが、そんな作品を富野には望んでいないし、作れもしないだろう。


 最後に再び、このタイトル記事の1回目に紹介したインタビューから、大塚ギチの言葉を借りよう。
 富野作品に望むのは1つ。
 見た者の心にずっと残る、傷をつけてほしい。

 

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